合成ダイヤモンドの看破について

こんにちは、サンコーです。

去年、宝飾業界を揺るがす大ニュースがありましたので記事にまとめたいと思います。

宝飾用合成ダイヤモンド

2018年5月、この世のすべてのダイヤモンドを支配していると言っても過言ではないデ・ビアス社が

宝石用の合成ダイヤモンドを発売するとプレスリリースを出したのです。

デ・ビアス社とは

デビアス社とは、ダイヤモンドの世界の供給量の８割近くを占めている採鉱・流通・加工・卸売の会社です。

ダイアモンドには自由な市場、自由な相場というものはありません。

国際シンジケートであるデ・ビアス社の意向によって、その価格が決まっているのです。

「ダイヤモンドは永遠の輝き」のコピーで知られ、日本でもよく知られる「婚約指輪はお給料の3か月分」の習慣を広めたのもこのデ・ビアス社です。

この度のニュースは、このデ・ビアスが新会社を立ち上げ、無色・ピンクおよびブルーの合成ダイヤモンドの販売を開始するというものでした。

天然ダイヤモンドと言えば高級品ですが、手ごろなファッションジュエリーとして、天然ダイヤモンドと競合しない新たな商材として合成ダイヤモンドを売り込んでいくのが目的のようです。

ダイヤモンドに限らず、その宝石が「天然」なのか、「合成」なのかは宝石を触る際には必ずついて回る問題になりますが、そもそも合成のダイヤモンドとはどのように作られるのでしょうか。

合成ダイヤモンドとは…

そもそも天然ダイヤモンドは、地球の深部において何億年という歳月にわたる地質学的プロセスを経て生まれた結晶です。

一方、合成ダイヤモンドは人の手によって研究室や製造所で作られます。

合成ダイヤモンドはGGG（ガリウム・ガドリニウム・ガーネット）やYAG（イットリウム・アルミニウム・ガーネット）などの人造石、最近よく聞く類似石のCZ（キュービック・ジルコニア）などとは異なり、

化学成分や結晶構造は天然ダイヤモンドと基本的に同じで、光学的・物理的特性も同一です。

ダイヤモンドの成分は“炭素”

天然ダイヤモンドも合成ダイヤモンドも炭素だけでできており、熱伝導性が極めて高く、屈折率は2.417、赤い光の分散度は0.044などこれらの特性値はすべてが同じです。

CZはそもそもの化学組成がZrO2とダイヤモンドの化学組成であるCとは異なり、熱伝導性も低く、屈折率は2.16、分散度も0.060です。

天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンド、識別は可能か？

化学的特性値が全く同じ天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドですが、見分けるカギはその石の育つ“生育環境”にあります。

天然ダイヤモンド

天然のダイヤモンドは高温高圧下が心地よく、地下深くの上部マントルでできます。

そこで何億年という長い年月をかけて成長し、地表に到達するまでに複雑な環境の変化をこうむります。